【”記憶” が人を救ってくれる】『sumika』が創り出す音楽の”住処”
『sumikaです!よろしく!!』
響く、片岡の声。鳴りやまない拍手。
ライブではお決まりの明るい出囃子。彼らの創る音楽はどこまでも心を温める。
イントロが耳を伝ったときの魔法のような安心感。
思わず浮かんでしまうメンバーの顔。笑顔で真っすぐ音楽を楽しむ姿勢はどのバンドよりも音楽への愛が溢れている。
曲を聴きながら『ここで片岡健太なら合いの手を入れるだろうなあ。』なんて思ったり。
彼らの音楽が持つ力はどこまでも大きく、強く。心を動かす。
響く会場。溢れる歓声。感情。
ギター、ピアノ、ドラム、サポート。
そしてボーカル。
練りに練られ、完成された音楽と歌詞。
彼らはどこまで僕らを救ってくれるのだろう。
片岡は以前のインタビューでこう述べていた
『バンドが軌道に乗り始めた頃に、僕の声が出なくなってバンドの活動が止まってしまった事があるんです。その時は“歌えない自分には価値がない”と思っていたけど、メンバーが「もし音楽がやれなくなったとしても、たとえば本気で農業をやるとか、一緒になにか出来るならそれでいい」と言ってくれて。その時に初めて自分の武器は“メンバーと出会えたことだ”と思いました。これも声が出なくなったという失敗から知れた事柄の1つですし、自分一人では絶対に気付けなかったことですね。』
メンバーの大きさを知った共に、急に声が出なくなることを経験し、一日で人は変化してしまうことも知った。
一回一回のライブに対する思いが人一倍強いのもこの経験があったからこそだろう。
『家族というのは二種類あると思っていて、一つは選べない家族。親とか兄弟とか、生まれたときからある景色。もう一つは選べる家族。それは結婚相手だったりとか自分が大人になって選ぶ家族。これって人生においても凄く大きな出来事だと思うんですよ。』/片岡健太
上記のような言葉も以前のインタビューで話していた。
片岡健太のこの考え方や思いは大きく楽曲にも溢れており、多くのひとを動かしているといえる。
【伝言歌 / sumika】
『ありきたりな言葉ですけど、愛してます!ありがとう。』/片岡健太
【エンドロール / sumika】
『昔から人と人で成り立っているバンドですね。ミニマムはメンバー四人ですが、ここまで四人だけで来れたとは思ってないですから。多くの人に愛してもらって、支えてもらって、みんなで一緒にやれています。』/小川貴之
【センス・オブ・ワンダー / sumika】
『まずやってみて、自分が感じたことを答えにしたい。』/片岡健太
【雨天決行 / sumika】
『1回壁にぶつかってみて、ここじゃないって確認して、帰ってくればいい。』/黒田隼之介
【Lamp / sumika】
『メンバーの担当する楽器の音が入っていない楽曲があってもいいし、メンバーの顔が見えない楽曲があってもいいし、そういうモノもひっくるめて「sumikaの音楽だよね」って言える。』/荒井智之
【Babel / sumika】
『誰かの評価を気にしたり誰かの例を見て一喜一憂したりすることってすごくもったいない。』/片岡健太
【lovers / sumika】
『健太が(声帯の療養)戻ってきたときの為に「一緒に音楽できる場所を守らなくちゃ」という気持ちでしたね。その為に出来ることがあればなんでもやる。「何もしないほうがいいんじゃないか」という意見もあったし、いろんな選択肢がもちろんあったんですけど、みんなで話し合いをして「やれることはなんでもやろう」と。』/黒田隼之介
『人を変えるのはいつだって一瞬だ』/ 片岡健太
どんな時も心の中に彼らの音楽は生き続ける。
今日も誰かに素直になって伝えなきゃいけない。
『好き』も『ありがとう』も言葉にしなきゃいけない。
彼らの音楽を聴いて心を動かされている以上、それが僕らにできることなのかもしれない。
温かい歌詞とメロディー。日常に寄り添ってくれる言葉やフレーズ。門出の季節にはそっと背中を押してくれる楽曲。光と闇の一面もときには見せてくれる。
どんなバンドよりも優しくて、深くて、愛に溢れていて。
家族のように見守ってくれて。毎日を支えてくれて。
きっと、僕らの住処はここだ。
バンド名にも込められている『住処』という言葉。
様々な人にとって住処のような場所になっていることは間違いないだろう。